ここでは、私自身がM1の時に知っておきたかったと感じた論文をたくさん書く方法に関するメモを書いています。

研究の最終ゴールは論文として公表することです。
しかしながら、論文の書き方に関する授業はあまりありません。
幸いなことに、私の周りにはそれを教えてくださる先輩や先生がいらっしゃいました。
ここでは、論文の書き方についてこれまで読んだ本・参加した学会をもとに備忘録としてまとめています。
主にHow to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing という本と、
(翻訳書「できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか 」[2015.07.14追加])
APA・SPSPでの論文執筆に関するセッション・先生・先輩方に教えていただいたことに基づいて書いています。

それらに基づくと、論文をたくさん書く方法はとてもシンプルです。

 

1. 毎日書く

 
中にはアイディアが思いついたら・構想をしっかりと練ってから書いたほうが良いと思う人がいるかもしれません。
しかし、思いついたときに文を書くよりも、習慣化して文を書くほうが多くの文量を書けることが示されています。
そして、スケジュール化したほうがより創造的な発想が思いつきやすいことも報告されています (Boice, 1990)。
つまり、論文を書くことを習慣化することが重要だと言えます。
毎朝2時間を執筆時間とすることが良いと多くの本・研究者が述べています。
論文執筆を習慣化することは、書いていないことに対する不安を取り除く観点からも理にかなっていると思います。
また、書かなければいけないけど書けない、書きたくないといった葛藤により生じる認知資源の枯渇がなくなります。
物事の習慣化には約2ヵ月かかることが知られています (Lally, van Jaarsveld, Potts, & Wardle, 2009)。
 

2. 記録をつける

 
これは、論文執筆の習慣化を手助けする一つの方法です。
記録はExcelやSPSSで行うと,グラフとして可視化できるためより良いと思います。
書いた文字数や目標やそれを達成したかどうかを記録しておくと、あとで振り返ることができます。
目標は漠然としたものではなく、客観的なもの (序論の第1パラグラフを書く、何words以上書く)にします。
目標の達成率や文字数を週単位・月単位で振り返ることで達成感が得られるはずです。
 
おそらく、たくさんの論文を書くコツはこの2つに集約されます。
多くの本や研究者が共通して述べているのが上記の2点です。


しかしながら、とはいっても他の問題が・・・ということもあると思います。
ここからは、論文を書く際に直面する問題点とその解決法をいくつかメモしておきます。
 
Q1. 論文を書くためのデータがない
 
A1. 他の研究グループの論文執筆活動に加えてもらう
 
実験や調査は1人でたくさんできないため、論文を書くためのデータがないことがあると思います。
その時は、隣の研究室に、何か論文を書くお手伝いをすることがないか尋ねます。
その際重要なのは、共著者として入れてもらわなくて構わないと伝えることです。
なぜならば目的は純粋に書くトレーニングをするためにお願いをしているからです。
このようなトレーニングは後の自分の論文執筆力に繋がります。
アメリカではこのようなお願いをして断る人はまずいないそうです。
 
Q2. 習慣化は分かったけれども、書き進められない
 
A2. Generate Quickly, Revise Slowly
 
これは、SPSPのMentor Lunchで社会的排斥研究で有名なDeWallが述べた一言です。
最初から完璧に論理構成立てて文章を作成することはとても難しいです。
そのため、とにかく早くfirst draftを書き、その後ゆっくり修正します。
DeWallは年間数十本の論文を執筆している研究者です。
そのような研究者が述べているため、最も効率的な戦略であると思います。
恐れずにとにかく書き進めるということが重要なのかもしれません。
あとは、論文の書き方に関する本を読み勉強することも重要だと述べていました。
 
Q3. たくさん論文を書いている人は才能があるのでは?
 
A3. たくさん論文を書くのに重要なのは才能ではなく書く時間
 
これも、DeWallが述べた一言です。
good writerは執筆を習慣化しているそうです。
writing tipsに関するセッションでは技術的な質問が多いですが、何よりも重要なのが習慣化であると述べています。
もちろん受理されやすい論文・読みやすい論文には共通点があるとも述べていました。
 
(1) 読者に道筋を示す
序論がどのように構成されているのか、しっかりと読者に道筋を示す
次のパラグラフ・センテンスが予測できると、内容が理解しやすい

(2) 各パラグラフのトピックセンテンスを意識して書く
トピックセンテンスはパラグラフの最初の文章
優れた論文は、トピックセンテンスを読み進めるだけで内容が理解できる

(3) 長い文章ではなく短い文章を書く
長い文章は理解の妨げになる
また、長い文章は著者が頭のよくない人と思われてしまう可能性がある(Oppenheimer, 2006)

(4) 難しい言葉ではなくわかりやすい言葉を使う
難しい言葉は理解の妨げになる
いろんな国の人・他分野の人が読んでもわかるような言葉を使う

(5) 順序立てて述べる
順序立てて述べることは読者の理解を手助けする
First...Second...Third...Fourth... (1), (2), (3), (4)など
 
全てに共通しているのは、読者のことを考えて書くということでしょうか。
このような考え方は、興味深い研究を行う方法と通ずる部分があるのかもしれません (Gray & Wegner, 2013)
 
今回備忘録としてまとめたものは、あくまでも私自身が意見を聞いて重要だと感じたものです。
私自身も論文執筆にはいつも苦労しており、これら以外の有益な情報・方法も日ごろから探しています。


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